がんの治療と仕事の両立は、こころの安定をもたらす
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がんの治療と仕事の両立は、こころの安定をもたらす2023.02.01
がんの治療と仕事、両立の勘所
がんと診断されて「頭が真っ白になった」と言われる患者さんは少なくないです。ショックで何も考えられない状態に陥る方もおられます。家族のことやお金のこと、仕事のことなどが頭をよぎります。このような状況で、様々なことを考え、決めていかなければならないというのは過酷なことと思います。
仕事に関して、患者さんとしては「手術後、いつ頃から働けるのか」、「抗がん剤治療を受けながら働けるのか」といったことが気になると思います。しかし、がん治療の診察室では、仕事のことはあまり話題にならないようです。
がんと診断されて退職してしまう人が、約3割もいるそうです。がんに罹ってしまって、仕事は続けられない、と思ってしまう人が少なくないのです。企業側の要因もあります。治療と仕事の両立支援制度が充実している企業もあれば、がんに罹ったら辞めるしかない、という雰囲気の企業もあります。前者の企業は非常に少ないと思います。
企業によって働く環境は様々ですが、産業医としての経験から言うと、「働きたい」という強い意思がいちばん大切と感じます。もう一つは、ご自分の病気のことを誰に、どのように、どこまで伝えるか、です。上司に、同僚に、部下に、取引先に、など。一方、職場の人には伝えないという方も少数ながらおられます。置かれた状況によって、判断も異なるとは思います。しかし、これからの厳しい治療に立ち向かうにあたり、治療しながら仕事をするにあたり、職場の人の理解が何より必要と考えます。コミュニケーションの工夫のしどころと思います。
治療と仕事の両立、がんのことを考える時間は減る
治療と仕事の両立と言っても、がんの種類や治療の内容によって、復職までにかかる時間、時短勤務なのか通常勤務なのか、仕事中に気をつけることなどは大きく異なります。苦労を乗り越えて、治療を受けながら働いておられる多くの方々が言われることは、「やりがいを感じられて嬉しい」、「お金が入ってくるのでとても助かる」、「仕事をしている間は、病気のことを考えなくてすむ」というものです。
「仕事中は病気のことを考えない」は、正にその通りと思います。このことは、私たち人間の脳の特性と関係があります。人間の脳は、マイナス思考に傾きやすいのです。もう一つは、ひとつのことにしか集中できません。故に、不安に支配されると、どこまでも不安の中に沈んでいってしまいます。仕事に集中することができると、病気のことを考える時間は、かなり少なくなると思います。そして、やりがいを感じることができ、お金も入ってきます。
以上、みてきたように、治療と仕事の両立は、苦労がたいへん多いですが、こころの安定をもたらしてくれることが多いです。いろいろな意味で治療の支えになってくれると思います。
院長 | 吉田勝也 |
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標榜科 | がん心療内科 |
資格 | 日本緩和医療学会 緩和医療認定医 厚生労働省 精神保健指定医 日本医師会認定 産業医 |
住所 | 神奈川県藤沢市南藤沢17-14 ユニバーサル南藤沢タワー403 |
申込用 メール アドレス |
gan-soudan@kzc.biglobe.ne.jp
電話番号は載せておりません 未掲載の理由はこちら |
連携医療機関 | 湘南藤沢徳洲会病院 藤沢市民病院 |
金曜日 | 13:00〜17:00(各50分〜4枠) |
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土曜日 | 10:00〜15:00(各50分〜4枠) |
金曜日と土曜日が祝日と重なる場合は休診
1回50分という十分な時間をお取りして、心理療法的枠組みの中で、じっくりと相談して頂ける体制を整えています。
その体制を維持するために、すべて自費診療とさせて頂いています。健康保険は使えませんのでご留意ください。