カウンセリングというけれど、どのように話を聞いてくれるのですか?
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カウンセリングというけれど、どのように話を聞いてくれるのですか?2023.11.01
当クリニックのホームページに、「心理療法的枠組みの中で、お話をしっかりと伺います」と記載しています。「具体的には、どんなふうに聞いてくれるの?」と思っている方もおられると思います。今回は、藤沢市にあるかつや心療内科クリニックから『カウンセリングというけれど、どのように話を聞いてくれるのですか?』と題して、がん相談コラムをお届けします。
医療におけるお話の聞き方【医師主導型】
皆さんが、身体の不調で病院やクリニックにかかって、医師の診察を受けたとき、医師との会話はどのようなものでしたか? 医師から、「どうされましたか?」「それはいつからですか?」「以前、そのようなことはありましたか?」「痛いのはどこ?」「どんな痛み?」などと次々と質問され、自分の話したいことを十分話せなかったという経験があると思います。
これには理由があります。医師は、まず、診断しなければなりませんので、そのための情報を集めるために、患者さんに様々な質問をします。あなたが何かを言おうとして、「ちょっと待って」と遮られたことも、もしかしたらあるかもしれません。医師主導型は、自分の思いを話して、わかってもらうということには向いていないと思います。
当クリニックでは、話を遮らず、批判せず【患者さん中心型】
当クリニックも医療機関なのですが、診断と治療というよりは、相談に重きを置いていますので、医師主導型のようなお話の聞き方はしないのです。まずは、患者さんのお気持ちや思いをお聞きしたいので、私は、患者さんのお話を遮ったりしませんし、批判を口にすることもありません。これは、心理療法的なお話の聞き方なのです。このプロセスだけでも、患者さんによっては、かなり楽になる方もおられますし、次の一歩を踏み出すことができる方もおられます。
このような心理療法的枠組みにより、患者さんのお考えが整理され、患者さんが元々持っている力が引き出されるという効果が発揮されることがあります。そして、私は、医師としての知識と経験に基づいて、その患者さんに合ったアドバイスをさせて頂きます。ご相談の内容が具体的であれば、私も具体的に解決策を提案させて頂きます。
がんと診断された日に、私の外来に飛び込んできたAさん
患者さんをご紹介しながら、上記のことを具体的にみていきます。患者さんの紹介にあたっては、個人情報保護のため、論旨に影響を与えない範囲で、内容を大幅に改変しています。
ある日のがん診療連携拠点病院の緩和ケア外来でのこと、「どうしても話を聞いてほしい」と言い、40歳代女性のAさんが、いきなり来られました。表情はとても硬かったです。お話を伺うと、外科でがんと診断されたばかりとのこと。「ショックを受けて動揺しているので、この状態のまま、夫や友達に話す気にはなれないので来ました」とのことでした【注】。
元気を取り戻し、治療に向かって歩む
約30分、私は、Aさんの話を遮ることなくじっと聞いていました。こういう場合の私の役割は、相槌を打ちながら、話を遮らない程度に小さな質問をしながら、Aさんが話しやすい雰囲気を作ることです。私は、Aさんは自分の思いや気持ちを言葉にして人に伝えることができ、患者仲間の中で話をすることが支えになる人、と考えました。よって、私は、Aさんに患者会を紹介しました。診察が終わる頃には、Aさんの表情は幾分和らいでいました。
1週間後にもう一度、来て頂きました。「早速、患者会に出席し、とてもよかったです。夫にがんのことを話しました」と報告されました。笑顔で話され、「治療がんばります」と言って帰られました。私の外来への通院は2回で終了しました。Aさんは、元気を取り戻し、治療に向かって歩んでいかれました。
自分の思いを言葉にできず、堂々巡り
しかし、Aさんのように、思いを言葉にできて行動力がある人は少数派でしょう。がんと診断されて、ああでもない、こうでもない、と考えることが行きつ戻りつ堂々巡り、自分の辛い思いをどのように言葉にしてよいかわからず、閉じこもりがちになってしまう患者さんは、決して少なくないです。何を相談してよいかさえわからない状態に陥っている方もおられます。
自分のこころの中を見過ぎて辛くなっている
自分のこころの中を見過ぎてしまうと、とても辛くなります。周囲から見ると、硬く閉ざされていて、話しかけにくいという印象です。自分のこころの中だけを見るのではなく、外に目を向けてみてはいかがでしょうか。自分のこころの中から、一歩外に出るというイメージです。これ、すごく大事です。優しい言葉をかけたくても、かけられずにいるご家族の存在に気づくかもしれません。ご家族や友達に、そして、美しい風景や自然に目を向けてみてはいかがでしょうか。ふっと楽になるかもしれませんよ。この「ふっと楽」がたくさんあるといいですね。
余談ですが、風景と言えば、当クリニックのある藤沢市周辺は、山あり海あり江の島ありで、とても美しいところです。
まとめ:カウンセリングというけれど、どのように話を聞いてくれるのですか?|藤沢駅徒歩5分 かつや心療内科クリニック(医師によるがん相談)
■お話の聞き方には二通りあります。
・診断を目的にした【医師主導型】
・患者さんの思いや気持ちを大切にする【患者さん中心型】
この違いをご理解いただけましたか?
■当クリニックは、
・患者さん中心型で、お話を遮らず、批判することなく、患者さんのペースに合わせてお聞きします。
・患者さんご本人だけではなく、ご家族も歓迎いたします。
■がんと診断され、この先、どうして良いかわからず、苦しんでおられる方々のご来院をお待ちしています。
【注】自分の病気のことを配偶者や友達といった親しい人に話した時に、思わぬ反応がかえってきて、傷ついてしまう患者さんがおられます。話すんじゃなかったと。また、自分の病気のことを、誰に、どこまで話すか、ということも多くの患者さんが直面する悩みごとです。
このようなことで、お困りの方がおられましたら、当クリニックの受診をおすすめします。
院長 | 吉田勝也 |
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標榜科 | がん心療内科 |
資格 | 日本緩和医療学会 緩和医療認定医 厚生労働省 精神保健指定医 日本医師会認定 産業医 |
住所 | 神奈川県藤沢市南藤沢17-14 ユニバーサル南藤沢タワー403 |
申込用 メール アドレス |
gan-soudan@kzc.biglobe.ne.jp
電話番号は載せておりません 未掲載の理由はこちら |
連携医療機関 | 湘南藤沢徳洲会病院 藤沢市民病院 |
金曜日 | 13:00〜17:00(各50分〜4枠) |
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土曜日 | 10:00〜15:00(各50分〜4枠) |
金曜日と土曜日が祝日と重なる場合は休診
1回50分という十分な時間をお取りして、心理療法的枠組みの中で、じっくりと相談して頂ける体制を整えています。
その体制を維持するために、すべて自費診療とさせて頂いています。健康保険は使えませんのでご留意ください。