親のがんを子どもに伝える |藤沢市のかつや心療内科クリニックは医師によるがん患者さんのこころを専門にした心療内科です

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親のがんを子どもに伝える

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親のがんを子どもに伝える2023.05.01

 親のがんを子どもに伝えるのか、伝えないのか、伝える場合はどこまで、どのように、誰が伝えるのか、子どもを持つがんの患者さんにとって大きな悩みと思います。ご自分の病状をどのように捉えているのか、今までの家族関係や家族の歴史もあり、ものの考え方も千差万別ですので、その判断は非常に難しいものになるだろうと思います。今回は、かつや心療内科クリニックから、『親のがんを子どもに伝える』と題して、がん相談コラムをお届けします。

私が、伝える役をさせて頂きました

 ホスピス病棟(緩和ケア)に勤務していたとき、何人かの患者さんから、子どもに自分の病気のことを伝えてほしい、と頼まれたことがあります。もちろんお引き受けしました。どのように説明するか、どこまで伝えるかなどを、患者さんご本人、ご家族、患者さんの担当看護師と事前に打ち合わせをしました。

 そして、お伝えする当日は、子どもさんに加えて、患者さんご本人、ご家族、担当看護師の同席のもとに説明しました。検査データや画像をお見せしながら、子どもさんでも理解できるようにかみ砕いて、今までの治療の流れをお伝えしました。そして、子どもさんの理解度を確認しながら、患者さんご本人の思いも聞きながら、今の病状を説明しました。そして、

■お母さん(お父さん)は、〇〇くん、〇〇さんのため、ご家族のために治療をがんばってこられたこと、

■お母さん(お父さん)が病気になったのは誰のせいでもないこと、などをお伝えしました。

この二つを説明の中に加えることはたいへん重要と思います。

 説明のあと、子どもさんたちは、表情が和らぎ、「聞いてよかった」と言われました。皆さん、小学生や中学生で、ある程度の年齢に達していましたので、普段から状況を、自分たちなりによく見ておられたということもあると思います。

病状を伝えられないと子どもは孤立する

 子どもに伝えるのか、伝えないのか。長年、こころの臨床に携わっている者として、ものの考え方の基本のようなものはあると考えています。親が、がんと診断されますと、家族の雰囲気は一変します。平静を装うのは難しいと思います。子どもはその変化を敏感に感じ取ります。只ならぬ何かがある!と。子どもは親なしでは生きていけませんので、無理もないと思います。

 子どもとしては、親に何が起こっているのかを知りたいと強く思うでしょう。子どもに何も知らされないと、彼らは悪いことを想像してしまいます。

■子どもは、何か悪い出来事が起こると、自分のせいと思い込んでしまう傾向があります。「自分が何か悪いことをしたのだろうか」と思ってしまうのです。⦅親が、がんに罹ったのは誰のせいでもない子どものあなたのせいではない、ということを、しっかりと伝えなければなりません。もちろん、患者さん、あなた自身のせいでもありません。

■前述したように子どもにとって親は大切な存在です。故に、「親がいなくなってしまうのではないか」と思い、不安に陥ります。

 このような状況にありながら、子どもは只ならぬ雰囲気を察して、誰にも聞くことができないままになってしまいます。そして、孤立していってしまうのです。このような状態が続くと、子どもに心理的・精神的症状がみられるようになる可能性が高まります。子どもを支援する上で最も大切な視点は、子どもが安心して成長するために、家族のオープンなコミュニケーションが非常に大事と考えます。オープンといっても何でもかんでも話すということではなく、以下に記すような工夫が必要と思います。

子どもの年代に合わせて工夫が必要

 どのように伝えるか、子どもの年代に合わせて、工夫が必要と思います。幼い子どもには、言葉だけではなく、絵本を使って説明したり、人形を使ったりします。少し上の年代であれば、病院に一緒に行って、治療の現場を見せることも有用かもしれません。これ以外にも様々な工夫があると思います。

後悔のない結論を出して

 繰り返し申し上げますが、親の病気を伝えるか、伝えないかの判断は、非常に難しいと思います。例えば、ご自分の病気を否定したい気持ちがとても強い時に、子どもに伝えるのは難しいと思います。皆さんが、ご家族などの関係者や主治医、医療スタッフとじっくりと話し合いながら、患者さんご本人にとって、そして、子どもさんにとって、後悔のない結論を出されることをこころから願っています。

概要 概要

院長 吉田勝也
標榜科 がん心療内科
資格 日本緩和医療学会 
緩和医療認定医
厚生労働省 精神保健指定医
日本医師会認定 産業医
住所 神奈川県藤沢市南藤沢17-14
ユニバーサル南藤沢タワー403
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アドレス
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